米BIO 筋ジストロフィー薬開発で患者団体と協力を推進
公開日時 2016/06/28 03:50
米バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)とディシェンヌ型筋ジストロフィー(DDM)患者団体である「筋ジストロフィー患者を持つ親のプロジェクト会」(Parent Project Muscular Dystrophy:PPMD)は6月8日、事業報告書を発表した。製薬企業がDDM患者の見方や意見を同疾患治療薬開発にどのように取り入れ、最適な臨床試験を実施していくかなどについてのガイダンス策定などを明記した。
「医薬品開発における患者の見方の推進と統合についての重要な留意点」(Key Consideration for Developing and Integrating Patient Perspectives in Drug Development)と題する報告書では、患者優先による臨床試験と患者および介護者の見方を医薬品開発に反映させるための患者主導のガイダンス案策定やそれに基づいた政策決定を促すことを目的としたPPMDと筋ジストロフィー患者コミュニティによる先駆的事業を解説している。
BIOのJim Greenwood理事長兼CEOは、「今日の患者は、患者のニーズを最も満足させるような医薬品開発をするためにその役割の重要性が増しているとともに積極的になっている」と医薬品開発における患者参画の意義が高まっていることを指摘。その上で、「本報告書は、製薬企業にとって、イノバティブな医薬品の開発や供給のあらゆる段階における患者の見方を組み入れるために最も必要なガイダンスを提供してくれる」と話した。
PPMDのPat Furlong創設者会長兼CEOは、「どのDDM患者も(それぞれの)ストーリーを持ち、そのストーリーは信じがたい価値を持っている。この患者の見方を綿密なデータに変えることは、将来展望に声を与え、患者にとって重要なことを医薬品開発過程に組み入れる方法である」とコメントした。
報告書の作成には、BIOやDDMの代表者のほか、ジョンズホプキンス大学やデューク大学などアカデミアおよび研究機関からの代表も参画した。