抗精神病薬ジプレキサのGE 薬価は先発品の32% 初GEは8成分、16年6月GE追補収載
公開日時 2016/06/17 03:52
厚労省は6月16日、後発医薬品(GE)など49成分271品目の薬価追補収載を官報告示し、17日付で収載する。今回初めてGEが登場するのは8成分21規格145品目。このうち統合失調症などに用いる抗精神病薬ジプレキサ(一般名:オランザピン、先発企業:日本イーライリリー)には最多の21社105品目が参入する。官報告示されたジプレキサのGE薬価をみると、汎用規格の10mg錠は先発品薬価の32%となった。
文末の関連ファイルに、GEの16年6月追補収載の資料を掲載しました(6月17日のみ無料配信、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。
16年度の薬価算定ルールの見直しにより、基本的にGE薬価は先発品薬価の0.5掛け(=50%)で算定されるが、内用薬でGE銘柄数が10を超えたものは0.4掛け(=40%)となる。ただ、先発品が新薬創出等加算品目の場合、先発品薬価からこれまでの新薬創出等加算分を差し引いた上で0.5掛け、もしくは0.4掛けする。
ジプレキサ錠は0.4掛けの適用となるが、新薬創出等加算を受けているため、この加算分を差し引いて0.4掛けした結果、GE薬価は実質、現在の先発品薬価のほぼ0.3掛けとなった。汎用規格のジプレキサ10mg錠の場合、先発品薬価が489.80円に対し、GE薬価は158.40円。
なお、ジプレキサ細粒1%は、参入するGEが10品目のため0.5掛けが適用されたが、加算分を差し引いた結果、GE薬価は193.30円、対先発品薬価で41%となった。
ジプレキサのほかに、先発品が新薬創出等加算品で、かつ今回初めてGEが参入した品目には、抗真菌薬ブイフェンド(同ボリコナゾール、ファイザー)、抗パーキンソン病薬レキップ(同ロピニロール塩酸塩、グラクソ・スミスクライン)、抗パーキンソン病薬コムタン(同エンタカポン、ノバルティス)――がある。これら3製品のGE薬価は本来0.5掛けとなるが、汎用規格のGE薬価はいずれも41~42%だった。なかでもGEと先発品で価格差が大きいのはブイフェンドで、汎用規格の50mg錠では先発品薬価が1139.20円なのに対し、GE薬価が481.60円となっている。
■気管支喘息薬キプレスにAG登場
今回初めてGEが参入するのは、前述のほかに、降圧配合薬エカード(同カンデサルタン/ヒドロクロロチアジド、武田薬品)、視床下部向下垂体ホルモン製剤サンドスタチン(同オクトレオチド酢酸塩、ノバルティス)、降圧配合薬コディオ(同バルサルタン/ヒドロクロロチアジド、ノバルティス)、気管支喘息治療薬キプレス/シングレア(同モンテルカストナトリウム、杏林製薬/MSD)――となる。
このうち先発品企業のお墨付きを得ている後発品であるオーソライズド・ジェネリック(AG)が3製品あり、▽あすか製薬のエカード ▽サンドのコディオ ▽キョーリンリメディオのキプレス――がそれにあたる。キプレス/シングレアはAGがまず参入し、通常のGEは12月に登場する見込み。
今回の追補収載は、内用薬33成分238品目(初GE7成分141品目)、注射薬7成分15品目(同1成分4品目)、外用薬9成分18品目(同0成分0品目)で、歯科用薬剤はなかった。きょう17日の収載を経て、多くの企業がGEを即日発売する。
今回初めてGEが登場する8成分は以下のとおり(カッコ内は先発品名と先発企業)。
▽オランザピン(ジプレキサ細粒、同錠、同ザイディス錠、日本イーライリリー)
収載21社105品目
精神神経用剤(117)
新薬創出等加算対象品目
▽ボリコナゾール(ブイフェンド錠、ファイザー)
収載7社16品目
主としてカビに作用するもの(617)
新薬創出等加算対象品目
▽ロピニロール塩酸塩(レキップ錠、グラクソ・スミスクライン)
収載2社6品目
抗パーキンソン剤(116)
新薬創出等加算対象品目
▽エンタカポン(コムタン錠、ノバルティス)
収載4社4品目
抗パーキンソン病(116)
新薬創出等加算対象品目
▽カンデサルタンシレキセチル/ヒドロクロロチアジド(エカード配合錠、武田薬品)
収載2社4品目
血圧降下剤(214)
▽オクトレオチド酢酸塩(サンドスタチン皮下注、ノバルティス)
収載2社4品目
その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)(249)
▽バルサルタン/ヒドロクロロチアジド(コディオ配合錠、ノバルティス)
収載2社4品目
血圧降下剤(214)
▽モンテルカストナトリウム(キプレス錠/シングレア錠、同チュアブル錠、同OD錠、杏林製薬/MSD)
収載1社2品目
その他のアレルギー用薬(449)