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バイエル 国内初の吸入型PAH治療薬ベンテイビスを新発売

公開日時 2016/05/17 03:51

バイエル薬品は5月16日、国内初の吸入型の肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬ベンテイビス吸入液10μg(一般名:イロプロスト)を同日に新発売したと発表した。同剤は合成プロスタサイクリン誘導体で、携帯型吸入器を用いてエアロゾル化した薬剤を直接、肺血管に到達させることができる。既存薬には経口薬と、中等症以上で選択肢となる静注薬がある。ベンテイビスは単剤でも使えるが、経口薬だけで症状が治まらないが静注には利便性の面で抵抗のある症例で、経口薬との併用で使われるケースが多くなるとみられている。

同剤は、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の議論を経て、2010年に厚労省から開発要請されたもの。同剤は肺血管を拡張し、より多くの血液が肺動脈を流れるようにすることで肺動脈圧を低下させ、全身への酸素供給を改善し、心臓への負担を減少させる。03年の発売以来、世界各国で使用され、「長期の安全性と有効性が確認されている」という。

日本での用法・用量は、通常、成人には、初回投与で忍容性を確認した上で2回目以降は1回5.0μgを1日6~9回吸入する、というもの。吸入間隔は少なくとも2時間以上あける。薬価は10μg1mL1管2386.50円。

バイエルは日本で、PAHの適応を持つ経口薬のアデムパス錠(同リオシグアト)を販売している。吸入薬ベンテイビスもラインナップに加えることで、「肺高血圧症に対する幅広い治療の選択肢を提供することで患者の更なるQOL向上に貢献していく」としている。

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