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AABPとアステラス PCSK9阻害薬レパーサ皮下注を新発売 高脂血症領域初の抗体医薬

公開日時 2016/04/22 03:51

アステラス・アムジェン・バイオファーマ(AABP)とアステラス製薬は4月21日、高コレステロール血症に用いるPCSK9阻害薬レパーサ皮下注140mgシリンジ(一般名:エボロクマブ(遺伝子組換え))を同日に新発売したと発表した。PCSK9阻害薬のファーストインクラス薬であり、高コレステロール血症領域初の抗体医薬となる。効能・効果は、心血管イベントの発現リスクが高く、スタチン系高コレステロール血症治療薬で効果不十分な家族性高コレステロール血症または高コレステロール血症で、原則としてスタチン系薬を併用して用いる。2週間に1回または4週間に1回の頻度で投与する。

製造販売元はAABP、販売はアステラス、情報提供活動は両社共同で行う。薬価は140mg1mL1筒、同1キットとも2万2948円。中医協資料によると、ピーク時売上は10年後に492億円。

標的のPCSK9は、血中のLDLコレステロール(LDL-C)に影響を与えるタンパク質で、血中の過剰なLDL-Cを取り込むLDL受容体の分解を促進する働きがある。同剤はこの働きを抑制して血中の過剰なLDL-Cを取り込めるようにすることで、効果を発揮する。

AABPはアステラスとアムジェン社の合弁会社として13年に活動を開始。同剤がAABP第一号製品となる。

■厚労省 スタチン系薬の最大耐用量でも効果不十分な患者にのみ使用可

厚労省は19日付で発出した保険局医療課長通知(保医発0419第1号、平成28年4月19日)で、同剤の保険診療での使用にあたっての留意事項を示した。

この中で、レパーサは、心血管イベントの発現リスクが高く、スタチン系薬の最大耐用量を服用していても十分な治療効果を得られない患者に対して使用できる薬剤であると指示した。また、同剤の使用に際しては診療報酬明細書の摘要欄に、▽使用の必要性の判断にあたり参照したLDL-C検査値、検査実施日▽食事・運動療法や喫煙指導などを行っていること、虚血性心疾患の危険因子に対する治療もしくは指導を行っていること▽スタチン製剤の成分名、1日投与量▽家族性高コレステロール血症以外の患者では、心血管イベントの発現リスクが高いと判断した理由――などの記入も求めた。高薬価の薬剤のため、適正使用を徹底するねらいとみられる。
 

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