MSD がん免疫療法薬ペムブロリズマブ 非小細胞肺がんの効能・効果で国内申請
公開日時 2016/03/01 03:51
MSDは2月29日、がん免疫療法薬の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)について、切除不能または転移性の非小細胞肺がんの効能・効果で、同日に日本で承認申請したと発表した。同剤は15年12月に切除不能または転移性の悪性黒色腫の効能・効果で国内申請しており、今回の非小細胞肺がんでの申請はこれに次ぐものとなる。非小細胞肺がんの効能・効果を持つ抗PD-1抗体としては、小野薬品とブリストル・マイヤーズが手掛けているオプジーボ(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))があり、同剤が承認されれば2番手となる。
日本では肺がんで年間約7万3000人が死亡している。部位別がんの死亡者数の第1位で、男性に多い。肺がんは組織型によって小細胞肺がんと非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)に分かれ、非小細胞肺がんが約85%を占める。切除不能または転移性の非小細胞肺がんは最も治療の難しいがんのひとつで、新たな治療選択肢が求められている。
ペムブロリズマブは、抗腫瘍作用のある活性リンパ球に主に発現するPD-1と、腫瘍細胞に主に発現するリガンドPD-L1とPD-L2の相互作用を阻害するヒト化モノクローナル抗体。ペムブロリズマブはPD-1受容体に結合して受容体リガンドとの相互作用を阻害することで、抗腫瘍免疫応答を含むPD-1経路を介する免疫応答の抑制を解除する。
ペムブロリズマブは国内フェーズ3段階に▽膀胱がん▽乳がん▽胃がん▽頭頸部がん――が行われており、このうち、「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」は厚労省から先駆け審査指定品目(=疾患の重篤性など一定要件を満たす革新的新薬が指定され、審査期間を6か月に短縮するもの。15年10月に第一弾として6品目が指定された)のひとつに指定されている。
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