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日本肺癌学会 オプジーボの副作用対策と患者説明の徹底呼びかけ 非小細胞肺がん適応追加で

公開日時 2015/12/21 03:51

日本肺癌学会は12月18日、小野薬品のがん免疫療法薬オプジーボに非小細胞肺がんの適応が追加されたことで、医師や患者の期待が高まっていることに対し「夢の新薬ではない」として、副作用対策や患者への説明の徹底を医療従事者に呼びかける声明文を公開した。

声明文は、同学会員だけでなく「肺癌薬物療法に関わる医療者」宛てに出された。その中ではオブジーボの免疫学的副作用として大腸炎や肺臓炎、ギランバレー症候群、重症筋無力症など重症例、死亡例も発現していることを指摘。自己免疫疾患を有する患者では増悪リスクが高いとして注意を呼びかけた。

対策として「投与直後から長期間にわたって注意深いモニタリングが必要」と対応を促した。また、同剤の副作用と対策を十分理解している医師が治療にあたり、「アレルギーあるいは膠原病内科、消化内科、代謝・内分泌内科、神経内科など専門医との協働が可能な施設、または地域連携により、これらの専門的支援が直ちに受けられるような施設において(使用が)行われることが必要と考えられる」としている。

投与患者について、同剤の有効性と安全性は「全身状態が比較的な良好な患者において確立されたもの」であることを強調。死亡例が多い高齢患者にも「十分留意する必要がある」として慎重な対応を求めた。

患者に対し副作用の説明の徹底を求め、異常時には直ちに受診する教育も重要だとした。


患者・家族向け文書も 「夢の新薬ではない」と理解求める


同学会は患者・家族向け文書も作成し、オプジーボは「すべての患者さん有効な夢の新薬ではない」と強調。重篤な副作用が起きうることや、リウマチなど自己免疫疾患患者など同剤を使えない患者がいることに理解を求めている。

同学会は、医療者、患者向けの文書を公開した理由について、分子標的治療薬イレッサ(一般名:ゲフィチニブ)が高い期待の中で02年の発売されたものの、直後に間質性肺炎が多発し、800人以上の患者が亡くなった教訓だと説明している。ホームページでは「現在では、肺がん治療には欠かすことができないゲフィチニブですが、その安全で効果的な使用が根付くまでに多くの犠牲がはらわれたことを肝に銘じておく必要があります」としている

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