東邦HD 介護事業のソラストと資本提携 調剤薬局と介護の連携検討 地域包括ケア実現に向け
公開日時 2015/11/17 03:50
東邦ホールディングス(HD)は11月16日、介護サービス事業などを展開するソラストと資本提携し、東邦HDの中核事業のひとつである調剤薬局事業とソラストの介護事業との連携サービスを検討していくと発表した。国が2025年に向けて整備を進めている地域包括ケアシステムを見据え、東邦HDは「地域包括ケアにおけるビジネスモデルを確立したい」としている。
東邦HDは地域医療連携や在宅・介護分野の取り組みを推進している。その第1弾として、今年8月に日本化薬100%子会社で通所介護(デイサービス)施設を運営する日本化学メディカルケアの全株式を取得した。今回のソラストとの提携は、在宅・介護ビジネスに本格参入するための戦略的な投資となる。
東邦HDは医薬品や医療材料を調剤薬局などに販売している。今後、市場拡大が予想される在宅医療や介護サービスに対して調剤薬局が窓口となって医薬品などが流通するスキームが想定されるため、今回の提携に至った。ソラストとの業務上の協力内容は今後検討していくが、東邦HDは本誌取材に、「医薬品卸売事業、調剤薬局事業のビジネスチャンスが広がると考えている」と語った。
ソラストのほぼ全ての株式は、投資会社の米カーライルグループの投資ファンド・CJPファンドが持っている。東邦HDは同日付で、CJPファンドとの間で、ソラストの株式4712株(所有割合5%)を取得する契約を締結した。取得金額は開示していない。
なお、CJPファンドはこの日、東邦HDのほか、高齢者住宅・介護施設などを建築する大東建託、医療・介護現場での効率化とITソリューションの創出を目指してインフォコムの2社にもソラストの株式を譲渡することを決めた。大東建託はソラスト株式の37.5%を、インフォコムは同3.0%を取得する。ソラストは「3社との協働を通じて、医療・介護ビジネスの業界リーダーとして信頼される会社になることを目指す」としている。
ソラスト(旧社名:日本医療事務センター)は1965年に日本初の医療事務教育機関として創業した。15年3月期の連結売上は601億円。従業員数は約2万4000人。