東和薬品・吉田社長 「業界の位置づけ3年間で決まる」
公開日時 2015/11/11 03:50
東和薬品の吉田逸郎代表取締役社長は11月10日、都内で開かれた第二四半期決算説明会で、後発医薬品数量シェア80%目標にあわせて生産体制の増強を図ることを示した上で、「業界の位置づけは3年間で決まってくるのかなと思うので、それに向けて対応していきたい」と述べた。同社は、中期経営計画で発表した125億錠の生産体制を見直し、18年度に140億錠の生産体制を敷く方針を打ち出している。吉田社長は「低分子医薬品は2018年をピークに、DPP-4阻害薬など一部製品を除き、ブロックバスター的な大型製品が少なくなる」と説明。さらには後発医薬品の値付けなども不透明なことがあることから、今後のさらなる投資の“リスクの高さ”にも言及し、「変化が見えてこないとこれ以上の追加は難しいかなと思う、半年、1年後と状況が変わってきてそのときに判断しないといけない」と述べ、慎重な姿勢も示した。
同社は、岡山工場や西日本物流センターですでに新築、増改築などに取り組んでいたが、国の方針を受け、中期経営計画を見直し、山形工場での生産体制を25億錠から65億錠に引上げるほか(工事期間:2016年6月~18年1月)、東日本物流センターの新築(同:16年6月~17年5月)を行うなど、生産体制の増強を行う。これに伴って、設備投資費は、期初の200億円から390億円に増額(前年同期比:88.4%増)、中期経営計画発表後に追加発表した山形工場、東日本物流センターについての設備投資費を反映すると、中期経営計画期間中で272億円の増額となる。
吉田社長は、後発医薬品80%目標が示される中で現行の生産体制では不十分との認識を示した上で、「設備投資金額も非常に大きい。これ以上の設備投資はリスクが高い。変化が見えてこないとこれ以上の追加は難しいかなと思う。半年、1年後と状況が変わってきてそのときに判断しないといけない」と今後の設備投資には慎重な姿勢を示した。
借入金も膨らむが、「自己資金でやろうということを考えているが時間がかかる。タイミングを逃す。3年から5年で大きな変化がある。その時に対応しないといけない」と述べ、現在投資することの意義を強調した。
◎MRは800人体制視野 漠然とした不安感払しょくへ
後発医薬品の信頼性向上に向けて、「ジェネリックへの漠然とした不安感を払しょくするための広報活動、情報提供活動は必要だと考えている」との考えも表明。現在MRは701人だが、800人規模に増員する姿勢も示した。また、広報活動や講演会、セミナー、広報活動を通じた情報発信にも力を入れる考えを示した。