米FDA 抗HIV薬Genvoyaを承認
公開日時 2015/11/10 03:50
米食品医薬品局(FDA)は11月5日、米Gilead Sciences社(本社:カリフォルニア州フォスターシティ)の抗HIV薬Genvoya(エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド定用量配合剤)を承認した。Genvoyaの適応は、成人および12歳以上の少年におけるHIV感染症。重度の腎機能障害を持つ患者には同剤は推奨されないが、中等度の障害の患者は服用可能である。
米国疾病予防管理センター(CDC)によると、米国では、13歳以上の少年および成人120万人がHIV感染症に罹患しているという。また、この年齢層の15万人以上はHIV感染しているものの、感染を認知していないとされる。過去10年、HIVとともに生活する人口は増加する一方、年ごとのHIV感染者数は比較的安定している。
Genvoyaは、未承認のテノホビルの新規剤型を含有している。同新剤型は血中濃度を低下させ副作用発現頻度を減少させる一方、HIV-1の複製をする細胞内での濃度を高くし、効果を発揮するよう設計したプロドラッグである。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のEdward Cox抗菌製品部長は、「テノホビルの新剤型を含有する定用量配合剤の本日の承認は、HIV-1感染症患者に1日1回投与で有効なレジメンを提供する」とコメントした。
同剤のラベルには、患者および医療関係者向け枠組み警告として、同剤による、致命的となりうる血中の乳酸の蓄積や重篤な肝障害を引き起こす可能性について記載された。さらに、同枠組み警告では、同剤はC型肝炎治療薬としては承認されていないことも記述されている。
同剤の主な副作用は悪心である。重篤な副作用には、新規の肝障害あるいは肝障害の増悪、骨密度減少、脂肪再分布および免疫再構築症候群など。このため、医療関係者には、患者の腎および骨における副作用モニターを行うことを推奨している。