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製薬協・生活者調査 情報ニーズ最多の「薬の副作用」 十分説明受けず

公開日時 2015/10/09 03:51

日本製薬工業協会がまとめた生活者意識調査によると、患者の多くが医師・薬剤師からの処方薬に関する説明にある程度満足してはいるものの、患者が欲しい情報と受けた説明内容にギャップがあることがわかった。例えば、患者側の情報ニーズのトップは「薬の副作用」で56.9%が入手したいと回答したが、医師・薬剤師からこの説明を受けたとのは28.3%にとどまり、差し引き28.6ポイントの開きがあった。このギャップを埋めることで医師・薬剤師に対する患者満足度をより一層高められる可能性がありそうだ。

「くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」はこれまで2年に1回実施していたが、今回は14年調査に続き実施した。調査対象は首都圏と京阪神圏に住む20歳以上の男女で、回答者は2000人。調査期間は6月25日~27日。方法はインターネット調査。

医師・薬剤師からの処方薬に関する説明の満足度は、「とても満足」が15.9%、「まあ満足」が76.2%で、計92.1%の患者が満足していることになる。この「とても満足」との強い満足を示した年代は20代が24.3%と最も高いが、年代が上がるほど低くなり、60代以降では11%台となる。

患者がほしい情報の上位3つは、「薬の副作用」(56.9%)、「薬の効能・効果」(53.5%)、「薬の飲み合わせの注意」(45.6%)――。一方で、医師・薬剤師からの説明内容の上位3つは、「薬の服用方法」(81.5%)、「薬の効能・効果」(76.0%)、「薬の種類・成分・特徴」(72.3%)――だった。そして、患者側の情報入手意向より説明実態が大きく下回っているのは、28.6ポイントの開きがあった「薬の副作用」と、27.0ポイントの開きがあった「薬の飲み合わせの注意」で、いずれも女性に多い傾向だった。

■かかりつけ薬局がある患者34.4% 4.5ポイント上昇

重複投与の改善・解消に向けた方策のひとつとして期待されているである「かかりつけ薬局」がある患者は34.4%で、前回14年調査より4.5ポイント増加した。持っていない患者は43.2%(5.6ポイント減)で、10年調査から減少傾向がみられる。かかりつけ薬局を持つ患者は年代が上になるほど高く、70代以上では50.9%と最も高い。また、かかりつけ薬局を持つ患者は、通院経験者39.0%に対し、入院経験者48.1%――と差がみられた。

■医師・薬剤師以外の主な情報源 インターネットが突出

処方薬に関して、医師・薬剤師以外の主な情報源の上位3つは、「インターネット」(47.6%)、「テレビ・ラジオ」(18.1%)、新聞(14.3%)――で、1位と2位の差は29.5ポイントと大きい。インターネット調査との性質を踏まえても、ネットの影響力の大きさが見てとれる。利用サイトは民間の情報サイト(55.0%)と製薬企業ホームページ(47.9%)が多かった。

■製薬産業を「信頼できる」84.2% 3.3ポイント上昇

製薬産業を「信頼できる」との回答は84.2%だった。前回より3.3ポイントの増加となる。10年調査(88.1%)をピークに、12年調査(85.6%)、臨床試験データ改ざん事件の影響が大きかった14年調査(80.9%)と信頼感を落としていたが、今回上昇に転じた。製薬産業のイメージは「社会的に必要性の高い産業」(93.8%、0.8ポイント増)、「技術力の高い産業」(93.1%、1.3ポイント増)などで高評価を維持している。

自由回答による信頼できない理由の上位3つは、「利益優先だから」(61件、前回64件)、「情報が非公開だから」(同34件、44件)が、「臨床試験のデータ改ざん事件があったから」(同33件、142件)――だった。

今後開発してほしい新薬としては、「がんに効く薬」が736件と圧倒的に多く、次いで認知症と難病が各171件、糖尿病/高血圧/生活習慣病104件――の順だった。

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