心血管疾患患者の悩み 「服用関係」が最多 平均服薬数5.2剤と多いことが影響か MCN調べ
公開日時 2015/09/28 03:50
医療調査会社のマクロミルケアネット(http://www.macromillcarenet.jp/)がこのほど、心血管疾患患者の薬物治療をめぐる悩みで最も多いのは「服用に関して」で、特に服用薬剤数の多さが悩みの種になっているとの声が多いとの分析結果をまとめた。同疾患患者の平均服薬数は5.2剤だった。多疾患に伴う多剤併用ケースと共に、ワーファリンのように服薬錠数が4錠、5錠と多いことを指摘している内容もあり、服薬数は可能な限り少なくした方が患者の受け入れが良いことを示す結果といえる。次いで多い悩みは「副作用」に関する不安だった。
文末の関連ファイルに、薬物治療をめぐる心血管疾患患者の悩みに関する資料を掲載しました(9月30日まで無料配信、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。
同社は6月18日~19日に、生活習慣病や消化性潰瘍、うつ病など慢性的な薬物治療が必要となる慢性疾患患者を対象に服薬アドヒアランスを調査した(有効回答数1131人)。この調査結果はミクスOnline7月14日付ニュースとして配信した。
今回、同調査に回答した心血管疾患患者155人(平均年齢63歳)を抜き出し、薬物治療に関する悩みを聞いた自由回答を分析した。設問に答えた患者は73人で、挙げられた77件の悩みをカテゴリー分類(=アフターコーディング)した。
その結果、心血管疾患患者の悩みの上位3つは「服用に関して」26%、「副作用について」21%、「将来に関して」19%――。慢性疾患患者全体の悩み(502人、537件)の上位は「服用に関して」24%、「副作用」20%、「治療効果」16%――であり、カテゴリー分類では同様の結果だった。ただ、心血管疾患患者では具体的な内容記載が多い傾向が見られた。
心血管疾患患者の悩みのトップだった「服用に関して」(20件)のコメントを見ると、「薬の種類(量)が多すぎる」「減らしたい」「飲む薬の量が多く、飲み忘れを生じてしまう」「飲む量が多いので一度に飲む時は苦痛に感じることもあるが、現状維持のため諦めて飲んでいる」と、服薬数起因とみられる内容が13件あった。それ以外では「大好きな納豆が食べられなくなった」(2件)や「旅行の日程が変更になって薬が足りなくなった」といった内容もあった。
悩みの2番手は「副作用」 出血傾向などで
悩みの2番目に挙がった「副作用について」(16件)では、この4件が抗凝固薬や抗血小板薬による出血傾向に関するものだった。このほか、▽血圧低下による立ちくらみ(2件)▽胃腸への負荷(2件)▽利尿薬による頻尿――などが挙がった。続いて回答が多かった「将来に関して」では、「治療が生涯続く」「完治しない」との声が大半を占めた。
次回は消化性疾患(逆流性食道炎・胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍)患者の薬物治療をめぐる悩みについて紹介します(10月5日配信予定)。