ルーマニア 病院に賄賂で当局が製薬企業11社を捜索か ロシュ・全面協力の意向示す
公開日時 2015/08/04 03:50
ルーマニアの国家腐敗防止局(National Anti-Corruption Directorate:DNA)は7月28日、製薬企業11社、61か所の事業所・施設などを対象に、処方の見返りとしての病医院に対する贈収賄の疑いで捜査を開始した。米ロイター通信7月30日付、専門誌「Fierce Pharma」7月31日付で報じた。
報道によると、これら11社は2012年から、病医院に対し、当該企業のブランド医薬品および後発医薬品(GE)の処方を依頼し、その見返りに賄賂を贈った疑いがあるという。
規制当局は、捜査対象となった製薬企業11社の社名を明らかにしていない。スイス・ロシュは捜査対象となったことを認め、全面協力する意向を示している。
ロシュは、ルーマニア法人の責任者および財務担当者が今年初め退職したとしているが、関係など詳細については明らかにしていない。
◎GSK パーキンソン病処方めぐる賄賂で内部告発も
製薬企業の贈収賄では、2013年に、中国で英・グラクソ・スミスクライン(GSK)が4億8900万ドルの罰金の支払いを命じられ、現地法人幹部が執行猶予3年の懲役刑を科されたことが記憶に新しい。GSKをめぐっては、その後もポーランド、アラブ首長国連邦、ヨルダンおよびシリアで賄賂事件が取沙汰された。今年7月最終週には、ルーマニア法人において、2009~12年まで、パーキンソン病治療薬などの処方の見返りに大金を支払っていたとの内部告発があった。ロイター通信は今回の捜査はこの件は無関係と報じている。
GSKのAndrew Witty CEOは、2013年の中国での賄賂事件後、企業内改革により違法な支払いの根絶を図ることを約束し、信頼回復に努めているところである。