英NICEガイダンス案 アイリーア、Ozurdexを糖尿病性黄斑浮腫の適応で推奨
公開日時 2015/06/10 03:50
英国立医療技術評価機構(NICE)は6月2日、独・バイエル薬品(Bayer Pharma)の眼科用薬Eylea(日本製品名:アイリーア、一般名:アフリベルセプト)硝子体注射液および米Allerganの眼科用薬Ozurdex(一般名:デキサメタゾン硝子体内インプラント)について、糖尿病性黄斑浮腫(DME)の適応で英国民保健サービス(NHS)における使用を推奨する内容の最終ガイダンス案を発表した。
アイリーアは、VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤で、網膜における異常な血管新生を抑制する。同剤の英国における薬事承認は、成人における糖尿病性黄斑浮腫による視力障害の治療。ガイダンス案では、同剤のNHSでの使用の推奨条件として、治療開始時に中心網膜厚が400μm以上あること、および当該企業が患者アクセススキームの割引価格に合意していることとした。
用法用量は、2mg硝子体内注射を5か月連続で毎月1回投与し、その後2か月毎に1回投与する。薬価は、1バイアルあたり816ポンド(付加価値税除く。英国ナショナルフォーミュラリー2015年1月版)。バイエル薬品は、患者アクセススキームに合意している。
NICEは、今年2月20日、DMEの適応でNHSにおける使用を推奨する第1次ガイダンス案を発表していた。
Ozurdexは、炎症を抑え、浮腫を予防する副腎皮質ステロイド剤である。同剤の英国における薬事承認は、成人における、眼内レンズ(偽水晶体)もしくは非副腎皮質ステロイド剤の効果が不十分か、不適切な患者のDMEによる糖尿病性黄斑浮腫による視力障害の治療。薬価は、700μgインプラント剤および塗布器を含め870ポンド(付加価値税除く。英国ナショナルフォーミュラリー68版)。
インプラントごとに、700μgのデキサメタゾンを眼底に6か月以上にわたって送達する。インプラント剤は完全に溶解するまでに最大270日、硝子体液に留まる。
英国では、2013年には270万人の17歳以上の青少年および成人が糖尿病と診断された。糖尿患者のうち、約18万9000人がDMEに罹患しているという。