前立腺がん治療薬ザイティガと排尿障害改善薬ザルティアの取り違えを注意喚起
公開日時 2015/06/03 03:50
ヤンセンファーマ、日本イーライリリー、日本新薬の3社は6月2日、前立腺がん治療薬ザイティガ錠(製造販売:ヤンセンファーマ、プロモーション提携:アストラゼネカ)と、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬ザルティア錠(製造販売:日本イーライリリー、発売:日本新薬)の販売名が類似していることから、取り違えしないよう文書で医療従事者に注意喚起を始めた。注意文書は3社連名で、各社と医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医療従事者向けサイトに同日、掲載された。
ザルティアは2014年4月、ザイティガは同年9月にそれぞれ発売されたが、ザイティガの発売直後にヤンセン、日本イーライリリーと日本新薬がそれぞれ、「取り違え注意」の文書を医療従事者に向けて配布している。再度注意喚起することになった理由について、ヤンセンファーマの広報担当者は「取り違え事例が報告されたため」とし、医療従事者に広く注意喚起しようと「PMDAのサイトにも掲載した」としている。取り違いの件数や患者への影響などは開示していない。
文書では、両剤とも泌尿器科領域で使われることから、処方・調剤時には販売名および薬効の確認を求めている。また、薬剤オーダリングシステム等を利用の場合は、「名称の前に薬効を記載する等の予防策」の検討を促した。院内での周知も呼びかけた。
誤処方・誤調剤が発生した場合は、「処方・調剤に至らなかった場合および健康被害の有無にかかわらず、医薬情報担当者に情報の提供を」と対応を求めている。