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製薬協・多田会長 GE品への置き換え速度の適正化を要望

公開日時 2015/05/27 03:50

日本製薬工業協会の多田正世会長は5月26日の定例会見に臨み、GE品の急速な市場浸透に伴い、想定以上に製薬協加盟社の業績や研究開発投資に影響が出ていると強調した。その上で政府の経済財政諮問会議でGEの数量シェア60%の達成1年間前倒しや数量シェアの次期目標として「80%」が議論されていることについて、「一端始めた新薬の研究開発投資はやめることができない。メーカーの体力や競争力を削ぐような政策は避けて欲しい」と訴えた。


製薬協加盟22社の国内医療用医薬品売上高の年次推移をみると、2015年3月期の売上高は14年3月期に比べて1800億円の減収となる。多田会長はこの背景について、GE品の市場浸透率の「上昇」と「加速」を指摘した。また、企業の収益構造やマーケットの変化が新薬の研究開発投資にも影響を及ぼしているとの見方を示し、「(厚労省に)GE品への置き換え速度の適正化を要望する」と強調した。企業経営上の観点からは、先を予見できる施策の必要性を訴えながら、イノベーションの評価を前提とする「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の制度化・恒久化を訴えた。このほか研究開発原資を確保するためには、「長期収載品からの収益が得られなくなるとイノベーションサイクルを回すことに支障をきたしかねない」との危機感も示した。


◎「診療報酬体系との合わせ技はコントロールできるものでもない」多田会長


多田会長は急激な市場環境の変化について、「政府が掲げる2017年度末のGE数量シェア60%を目標に各社とも独自の取り組みを行ってきたが、(前回2014年度改定は)薬価とは別に診療報酬体系の加算制度(調剤薬局体制加算)や減算制度(DPC調整係数)と合わせ技となった。我々はこちらの方は一切知らされるわけでもないし、コントロールできるものでもない」と述べ、GE品の急速な市場浸透が予想以上に企業の業績や新薬の研究開発投資に影響していると危機感を表明した。


その上で、経済財政諮問会議で議論の俎上にあがっているGE品の新たな使用促進策について、「厚労省が民間議員の提言にどう対応するか分からないが、方向性やタイミングの問題は考えて欲しい」と強調。「むしろ急激なスピードに経営が対応できない。いつまでにということがポイントだ」と述べた。


さらに多田会長は、「GEも成長しなければいけないが、一方で成長産業である創薬ビジネスも重要だ。このバランスをどうやれば投資できるかが政策のあやになるのではないか」と見通した。

 

 


 

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