4年前にサウスカロライナ州でおこった 殺人事件の被害者は、3歳の女児とその母親であった。目撃者は見つからず、事件現場周辺のサーベイランス・カメラも犯人をとらえていなかったが、捜査にあたっていた警察署が先月、犯人のモンタージュ画像を公開し、米国中を驚かせた。（医療ジャーナリスト　西村由美子）


公開されたモンタージュ画像は、事件現場に残された犯人のものと推測されるDNAからコンピュータでジェネレートされたもの。刑事事件捜査で、DNAからジェネレートされたモンタージュが一般公開されたのは米国史上初めてのことであった。


手法や生成画像の信頼性については、まだ専門家の間でもさまざまに議論が分かれており、この段階でのモンタージュ画蔵の実用化には疑問の声が聞かれ、また、犯人のものと「推定」されるに過ぎないDNAからジェネレートされたモンタージュを一般公開することは個人のプライバシー侵害にあたる との批判も聞かれる。


だが、遺伝子解析技術の実用化はここまできているという一例である。


参考までに、下の写真はペンシルバに州立大学教授Mark Shriver博士による、被験者の実像写真と、DNAからジェネレートされた画像の比較である。