米2014年薬剤費 対前年比13.1%増の3739億ドルに:IMS
公開日時 2015/04/21 03:50
米IMS Institute for Healthcare Informaticsは4月14日、2014年の米国の合計薬剤費が対前年比13.1%増(名目)の3739億ドルになったと発表した。IMSが同日発表した、「薬剤使用と消費の変化:2014年の米国における薬剤使用の考察」(Medicine Use and Spending Shifts: A Review of the Use of Medicines in the US in 2014)で明らかになった。
2014年の合計薬剤費の伸長は13.1%で、17.0%の伸びを示した2001年以来の高い伸びとなった。なお、1人当たり薬剤費ベースでは対前年比10.3%増だった。IMSでは、この高い伸長率の原因を画期的新薬の相次ぐ上市、特許切れ製品が少なくなったこと、保険フォーミュラリー収載ブランド医薬品(先発品)の値上げなどにあるとしている。
新薬は、抗がん剤、自己免疫疾患治療薬、C型肝炎治療薬、多発性硬化症治療薬など薬価の高いスペシャリティー領域の医薬品の処方が増加。スペシャリティー領域における薬剤費は26.5%の伸びを示した。
中でも、C型肝炎治療薬4剤の寄与は大きく、同領域の薬剤費は2013年の約10倍にのぼった。IMSデータでも、これら薬剤の高薬価ぶりが浮き彫りにされた格好だ。2014年には、米国では42剤の新規有効成分が上市され、ここ10年で最大の上市数となった。
一方、各社主力品の特許切れによる影響は、119億ドルで、2012年の293億ドルから減少傾向を示している。昨年、先発品の価格は、仕切り価ベースで13.5%の値上がりをみせた。割引やリベートを考慮すると、市場実勢価格は5~7%の値上がりとみられる。
2014年は、オバマ大統領のヘルスケア法(Affordable Care Act)の下での保険カバレージが拡大した最初の年で、メディケードでは2013年9月末から2014年末までに無保険者は5.1%減少、1570万人が新たに保険加入者になった。しかし、IMSは、クリニック受診は3.0%、入院者は1.7%それぞれ減少するなど医療サービスの需要がわずかだが低下したことを報告している。