持田製薬 17年度売上950億円に設定 今後3年間で「安定的収益基盤を再構築」
公開日時 2015/04/03 03:51
持田製薬は4月1日、2015年度~17年度までの中期経営計画を発表し、14年4月以降のジェネリックの急激な市場浸透などを受けて、最終17年度の売上目標は950億円、1年前に発表した最終16年度売上目標から150億円減に設定した。同社はこれからの3年間で「持続的成長に向けた安定的収益基盤を再構築する」としており、営業リソースを新薬、バイオ後続品(バイオシミラー)、抗がん剤GEに集中したり、全社的に効率的な組織に変えることに重点的に取り組む。
同社では毎年、新しい年度を加えた3か年の計画を策定し、公表している。
17年度の数値目標は、営業利益95億円(16年度売上目標では160億円)、研究開発費135億円(同160億円)、社員1人当たり生産性5200万円以上(同6000万円以上)――。後発品事業では「売上100億円を達成し、さらなる拡大を目指す」と、100億円を最低ラインに設定した。なお、17年度目標を14年度業績見込みと比較すると、17年度目標は売上で85億円の増収、営業利益と研究開発費はほぼ横ばいとなる。
■MR750人体制を維持
今後3年間の医薬事業の計画を見てみると、同社は引き続き、循環器、産婦人科、皮膚科、救急、精神科――を重点領域とし、全てをカバーできるMRの育成、展開する。MR750人体制を維持する。営業力強化に向けeプロモーションも推進する。抗うつ薬レクサプロの売上げをさらに拡大し、「日本での抗うつ薬トップシェアを目指す」としている。
医薬品開発では、▽潰瘍性大腸炎治療薬「MD-0901」(メサラジン製剤)▽レクサプロの社会不安障害の効能追加▽子宮内膜症治療薬ディナゲストの子宮腺筋症の効能追加――の承認取得を目指す。抗リウマチ薬エタネルセプトのバイオ後続品は、この3年の間に申請を目指す。ライフサイクルマネジメント、付加価値型製剤の導入・開発、バイオ後続品のパイプラインの充実などにも取り組む。
そのほか、組織体制については、本社機能の充実や効率的な組織運営などの構造改革を推進し、部門間連携の強化によってさらなる生産性向上を目指すとしている。社内の限られたリソースを最大限に活用すると同時に、社外資源とも積極的に連携する。
【17年度経営目標数値(連結)】
売上高 950億円(前年公表した16年度目標では1100億円)
営業利益 95億円(同160億円)
研究開発費 135億円(同160億円)
社員1人当り生産性 5200万円以上(同6000万円以上)