米FDA 髄膜炎ワクチンBexseroを承認
公開日時 2015/01/30 03:50
米食品医薬品局(FDA)は1月23日、10~25歳の青少年における髄膜炎菌血清群Bを起因菌とする侵襲的髄膜炎疾患の予防ワクチンBexseroを承認した。同剤は、2014年10月に初めての髄膜炎菌血清群Bを起因菌とする髄膜炎疾患ワクチンがFDAから承認されており、2番目のワクチンとなる。
髄膜炎疾患は、血流が感染すると敗血症、脳や脊髄膜が感染すると髄膜炎となる生命を脅かす疾患である。髄膜炎菌は細菌性髄膜炎の主病因である。髄膜炎菌は、呼吸器および咽頭分泌物を媒介してヒトからヒトへ咳、キス、食器の共用などを介して感染する。
髄膜疾患は、死亡のリスクや重篤な長期にわたる障害を減らす目的で抗生物質が使用できるが速やかな医療対応でもこれらのアウトカムは必ずしも防げないため、髄膜疾患を予防するには、ワクチン接種が最も効果的な方法である。
FDAは、Bexseroをその医療的重要性を考慮、迅速審査の対象としたばかりでなく、「画期的新薬」(Breakthrough Therapy)としての指定も行った。
FDAのKaren Midthun生物製剤評価研究センター長は、「本日のBexseroの承認によって、米国はいまや血清群Bの髄膜炎疾患に対する予防ワクチンを2つになった」と同剤の登場を歓迎した。その上で、「これらワクチンの承認は、この生命を脅かす疾患の予防に向けての公衆衛生上の大きな成果を示すものだ」と話した。
同剤は、スイス・ノバルティス社の米国法人Novartis Vaccines and Diagnostics社(本社:マサチューセッツ州ケンブリッジ)が製造する。
米疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では2012年に髄膜炎疾患は約500症例発生、そのうち160症例が血清群Bによるものだという。