大塚 難治性白血病治療薬ポナチニブの権利取得 2015年国内申請へ
公開日時 2014/12/25 03:51
大塚製薬は12月23日、米アリアド・ファーマシューティカルズ・インク(以降アリアド、本社:マサチューセッツ州)が創製した血液がん治療薬ポナチニブについて、日本を含むアジア10カ国・地域における共同開発・商業化の権利を取得したと発表した。国内では第1相/第2相臨床試験が行われており、2015年に治療抵抗性または不耐容を示す慢性骨髄性白血病(CML)とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の適応で承認申請を行う予定。
今回の契約に際し、大塚はアリアド社に一時金として7750万ドル(約90億円)を支払い、承認時のマイルストーンも発生する。
ポナチニブは、CMLやPh+ALLで発現する異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)に対して最適な阻害作用を示すようにデザインされたチロシンキナーゼ阻害薬。CMLなどの治療に用いるチロシンキナーゼ阻害薬としては、グリベックやスプリセル、タシグナ、ボシュリフ(いずれも製品名)があるが、同社はポナチニブをベストインクラス薬と見込んでいる。チロシンキナーゼ阻害薬未治療患者に加え、従来のチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性を示す変異型BCL-ABLにも効果を示すという。
米国では2012年12月、欧州でも2013年7月に承認を取得済みで、イクルーシグ(Iclusig)の製品名で発売されている。今回大塚が共同開発の権利を取得した国・地域のうち日本を除くアジア9カ国・地域については、これから開発を進める予定。中国(香港含む)、韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、シンガポールなどが含まれる。
大塚製薬は2011年からBMSのCML治療薬スプリセルを共同販促しており、この9月にはCML診断薬「Major BCR-ABL mRNA測定キット『オーツカ』」を発売している。同社の岩本太郎社長は「診断から治療まで幅広い事業展開をしていくことで、未だ十分でない血液がん患者さんの生命にかかわる治療向上を目指していく」とコメントしている。