GSKとAvalon ビッグファーマとアカデミアとのギャップ解消に(その2)
公開日時 2014/12/01 03:50
GSKのLon Cardon上級副社長(代替創薬・開発担当)は今年10月にニューヨークで開催された医薬品戦略会議(The Pharmaceutical Strategy Conference)の席上、Avalonとの独創的な協力がいかにビッグファーマとアカデミアのギャップを埋めるために役立つかについて説明した。
同副社長は、「(今回のAvalonとの提携の)動機はビッグファーマとは組むことをためらうアカデミアの主要な人材と一緒に働くためのよりよい方法を見つけることだった」と述べたうえで、伝統的なアカデミアとのピア・ツー・ピア(Peer to Peer)の協力はするが、ビッグファーマとの協力を好まないアカデミアの人材から次のように聞いていたことを打ち明けた。
「私はビッグファーマと一緒に働きたいのか?いや、むしろ、自分の会社を起業したいか、あるいは小規模バイオテクあるいは友人や協力者と働きたいのだ」。
同副社長は、「私のできることは、彼らと一緒になって彼らにやる気を起こさせることだ。我々は彼らと一緒になって、ビッグファーマがもっているものに彼らをアクセスさせることだ」とその狙いを説明する。
アカデミアとの協力は、早期の最先端創薬目標(技術)の流れを維持するためには基本である。企業が社内研究を削減しているため、R&Dパイプラインが枯渇し、画期的新薬を市場に持ち込むハードルがますます高くなっている今日、ビッグファーマは、アカデミアとの連携を一層求めている。その1つには、米ファイザーが、アカデミアの研究所を持った複数の都市における、治療イノベーション・センター(Centers for Therapeutic Innovation)というプロジェクトがある。この最初のパートナーシップは、2011年に提携したカリフォルニア大学サンフランシスコ校とのものだった。ファイザーが5年間で8500万ドルを出資する。
GSKやファイザーがとった新規アプローチの目的は、バイオメディカル研究に橋渡しを行い、費用対効果の高い方法で製品としての医薬品の結びつけることである。
GSKのLon Cardon上級副社長は、「我々は、未だに、アカデミアの基礎研究と医薬品製品化との間の抜け出したいと考えている大きな死の谷に直面している」と話し、アカデミアとの提携が重要であることを改めて指摘する。
早期段階で薬剤標的を選ぶ客観的基準には多すぎるほどの可変性があり、作業には困難が伴う。しかし、ビッグファーマは膨大なデータをもっており、それをベースに研究を前進させる可能性をもっている。同副社長は、創薬標的が、たった1つの論文や研究者の記録に基づいていることがあるという。
そのうえで、「多数の研究者が自分の生涯をひとつの疑問に対する答えを解くのに使っている一方で、ビッグファーマは、主要なアカデミアが持っているすべての知識やノウハウをすべてについて、ほとんど概括したり、要約したりしていない」と説明し、ビッグファーマ、アカデミアがそれぞれの特徴を生かし、協力することの必要性を強調した.
The Pink Sheet 11月17日号