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米FDA 乱用防止モルヒネ/ナルトレキソン配合徐放剤を承認

公開日時 2014/10/23 03:50

米食品医薬品局(FDA)は10月17日、米・ファイザー社の激痛治療薬・Embeda ER(モルヒネ硫酸塩/ナルトレキソン塩酸塩配合剤:徐放性製剤)カプセル剤の新規ラベルを承認した。同剤は徐放性(ER)製剤で、適応は、1日24時間かつ長期のオピオイド治療を要し、他の治療オプションが効果不十分な場合の激痛。
2013年にFDAが発行した「乱用防止オピオイド―評価とラベリング」(Abuse-Deterrent Opioids-Evaluation and Labeling)と題する、製薬業界向けガイダンス案に基づいた乱用防止策を講じたことを記載したラベルが承認された3剤目のオピオイド鎮痛剤となった。


これまでも乱用防止策は講じられてきたが、カプセルを破砕し、経口もしくは経鼻で服用できるので完全とはいえなかった。同剤は、適切に服用するとカプセル中のモルヒネのみを放出し、作用を発揮する。一方で、同剤を破砕すると、Embedaのナルトレキソンがモルヒネによる陶酔感をブロックし、オピオイド依存症患者に禁断症状を起こさせるメカニズムとなっている。


同剤は、乱用の実態などについての評価をする目的で市販後調査の実施を求められた。さらに、オピオイド製剤を対象とした「リスク評価緩和戦略」(REMS)である「ER/LAオピオイド鎮痛剤リスク評価緩和戦略」(ER/LA Opioid Analgesics Risk Evaluation and Mitigation Strategy)の実施も求められた。


具体的には、安全かつ適正に同剤を処方するために医療関係者に対する教育プログラムの策定や患者に安全に使用し、保管し、処分させるために患者向けメディケーションガイドの作成を義務付けた。


Embedaは、2009年8月13日に初めて承認されたが、11年3月にファイザー社が製造工程における安定性に懸念が見つかったとの理由で自主回収した。その後、13年11月に、この問題が、製造工程の改修により解決されたことをFDAが確認している。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のSharon Hertz麻酔・鎮痛・乱用製品部部長代理は、「医療用オピオイドの乱用防止や患者の疼痛に対する適切な治療へのアクセスの保障は、FDAにとって公衆衛生上の最優先課題だ」と述べた。その上で、「乱用防止策を講じた医療用オピオイドの開発の背後にある科学は、なお進化しているが、まだ十分に課題を解決していない。この乱用防止策は、米国における医療用医薬品の乱用という重大な問題と戦う包括的アプローチの一環と考えている」と話した。
 

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