米FDA がん化療法に伴う嘔吐治療薬Akynzeoを承認
公開日時 2014/10/15 03:50
米食品医薬品局(FDA)は10月10日、がん化学療法受療中の患者における悪心および嘔吐治療薬Akynzeo(ネツピタント・パロノセトロン用量固定配合剤)を承認した。
Akynzeoは、NK1(ニューロキニン)受容体拮抗剤・ネツピタントと5-HT3(セロトニン‐3)・パロノセトロン用量固定配合剤。カプセルに含有するネツピタントは新薬で、急性期とともに化学療法開始時からの遅発期(25~120時間)における悪心および嘔吐を予防する。一方、パロノセトロンは化学療法開始時からの急性期(最初の24時間)における悪心および嘔吐の予防を効能に2008年に製品名Aloxi(日本製品名:アロキシ)で承認されている。
同剤の有効性は、1720例の患者を対象とした2本の臨床試験で検証された。被験者は、同剤とパロノセトロン単剤の2群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、化学療法開始後の急性期、遅発期および全時期における悪心および嘔吐の予防。
試験では、嘔吐を経験しなかったか、応急措置を必要としなかった患者がAkynzeo投与群89.6%、パロノセトロン投与群76.5%。急性期では98.5%、89.7%、遅発期では90.4%、80.1%となり、いずれの段階でもAkynzeoの有効性が示された。2本目の試験も同等の結果を示したという。同剤の主な副作用は、頭痛、無力症、疲労感、消化不良、便秘など。
同剤は、Eisai Inc(エーザイ米国法人、本社:ニュージャージー州ウッドクリフレーク)が販売する。エーザイが2010年6月9日に、スイスのHelsinn Healthcare S.A.(本社:スイス・ルガーノ)と同剤の米国における商業化に関する契約を締結したことを発表している。
発表によると、米国での同剤の臨床試験実施、承認申請などはHelsinn社が行い、販促はEisai IncとHelsinn社が共同で行うとしている。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJulie Beitz医薬品評価第3部長は、「がん化学療法の副作用として患者が経験する可能性のある悪心および嘔吐を緩和するのに役立つ」と同剤の登場を評価した。