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英NICEガイダンス案 C型肝炎治療Olysoを推奨

公開日時 2014/10/01 03:50

C型肝炎治療には、インターフェロンフリー(IFN)を可能にするという、シメプレビルやソホスブビルなど新規経口直接作用型抗ウイルス剤が肝炎治療を変えると期待されている一方、その高薬価が論議の的となっているなか、英国立医療技術評価機構(NICE)が、ヤンセンのプロテアーゼ阻害剤Olyso錠(シメプレビル)をNHS(英国民保健サービス)での使用を推奨するガイダンス案をまとめた。NICEが9月17日に発表した。


具体的な推奨内容は、成人における遺伝子型1型慢性C型肝炎に対する、ペグインターフェロン(Peg-IFN)および抗肝炎ウイルス薬リバビリンとの併用の治療薬としての使用である。


シメプレビルは、英国では、成人における遺伝子型1型ならびに4型の慢性C型肝炎の治療薬としてPeg-IFNおよびリバビリンとの3剤併用もしくはソホスブビルおよびリバビリンとの3剤併用、あるいはソホスブビルとの2剤併用として薬事承認を取得しているが、ガイダンス案では、遺伝子型1型のみを推奨した。NICEは、4型については、エビデンスが不十分とし、ヤンセンに追加データの提出を求めた。


さらに今回のガイダンス案では、遺伝子型1型もしくは4型の慢性C型肝炎に対して、シメプレビルおよびソホスブビルとの2剤併用、また、シメプレビル、ソホスブビル、リバビリンとの3剤併用もしくはシメプレビルとソホスブビルとの2剤併用についても、エビデンスが十分でないとの理由で非推奨となった。


NICE医療技術評価センター(CHTA)のCarole Longson教授は、「C型肝炎は特に肝硬変の段階となると個人のQOLに重大な影響を与えるが、同疾患治療の意問題点の1つは、患者に処方される薬剤のコンプライアンスである」と指摘したうえで、「しかし、IFNを基礎とした現行治療法はしばしば、長期間を要し、服薬を継続できないか、第1選択にできないような重篤な副作用に関わっている」と既存治療のデメリットを指摘した。そのうえで、「シメプレビルは、NICEが先月、暫定的に一定の患者に対して推奨したソホスブビルのように、IFNを基礎とした治療期間の短縮の可能性をもっている。このことは、より多くの患者に最適な治療を提供する可能性を持たせる。さらに、このことは慢性C型肝炎患者にとってばかりではなく、非感染者に対してもウイルスの伝播を減らすという重要なベネフィットをもたらす」と評価した。NICEは、8月15日に、ソホスブビルについて推奨する内容のガイダンス案を公表している。


シメプレビルの薬価は、150mg錠7パック1866.50ポンド(付加価値税除く、約33万円、1ポンド=178円換算)である。治療1コースの薬剤費は、シメプレビル(12週)、およびPeg-IFN+リバビリン(各24週)の3剤併用が合計27220ポンド(約484万円)。また、シメプレビル(12週)、およびPeg-IFN+リバビリン(各48週)の3剤併用が32155ポンド(約572万円)。


NICEは現在、同ガイダンス案についてパブリックコメントを募集中で、10月9日に締め切られる。
 


 

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