米FDA SNSガイダンス案でTwitter上でも重篤な副作用などのリスク明記求める
公開日時 2014/07/02 03:50
米食品医薬品局(FDA)は、ウェブを活用した双方向資材、いわゆる“ソーシャルネットワーク(SNS)”について、雑誌やテレビなどと同様に、リスクとベネフィットを勘案した情報提供を求める方針を打ち出している。
FDAが6月17日に公表した新たなガイダンス案は、▽Twitter上での製品の販促方法、▽Paid Mediaなどの第三者のウェブサイトに掲載された製品情報について誤っている場合の自発的な訂正―の2種類。
Twitter上での製品の販促方法については、140字という制限された字数内での情報提供が必要になる。FDAは、架空の薬剤についてサンプルを提示。個々のツイートで製品名、適応症、重篤な副作用、リスク情報へのハイパーリンクを含むことを求めた。また、薬剤についてはブランド品とジェネリック医薬品(GE)両方の銘柄を明記することを求めた。
昨年8月には、アストラゼネカ(AZ)が逆流性食道炎(GERD)の疾患啓発を目的に、同社のYou tubeのチャネルをAP通信のツイートに広告として掲載した。ツイート上は製品名を明記してはいなかったものの、ツイートが拡散する中で、同社の製品・ネキシウム(一般名:エソメプラゾール)の名前が飛び交い、結果としてツイートを削除する騒動となっている。
一方、製品情報の自発的な訂正については、過大な有効性なども含めたツイート内のすべての誤りを訂正しなければならないとした。ただ、当該企業が一度、誤った情報の著者あるいはサイト管理者に通告した後に、同サイトの監視を続ける必要はないことも明記。第三者の行動についてFDAが責任をもたないことも明確に打ち出した。
FDAは、既存のインターネットあるいはSNSのプラットフォームに適用可能な最善の実践規範を作るために努力している姿勢を示した。その上で、「製薬企業およびその代理人が選択したプラットフォームによらず、誠実、正確で誤解を招かないバランスの取れた製品情報、コミュニケーションが最も役立つ」との考えを示している。
ガイダンス案の策定にFDAが着手したのは2009年11月で、すでに5年近くが経過している。同ガイダンス案についてFDAは、9月16日までパブリックコメントを募集する予定。
(The Pink Sheet 6月23日号より)