慢性骨髄性白血病治療薬・スプリセル BMSが不適切関与で第三者調査開始へ
公開日時 2014/06/26 03:50
ブリストル・マイヤーズは6月25日、東京大学が公表した「SIGN研究に関する調査」の中で、慢性骨髄性白血病治療薬・スプリセル(一般名:ダサチニブ)の臨床研究で社員の不適切な役務提供があったとの指摘を受け、第三者による調査を直ちに開始すると発表した。
研究は、未治療の慢性期慢性骨髄性白血病へのスプリセルの有効性・安全性を検証することを目的に、全国75施設で実施され、2011年7月~13年6月までに86例が登録されていた。調査報告では、「臨床研究のデザインをほぼ企業が作成する不適切な役務提供があった」と指摘。「本来、研究対象の製品を販売する企業とは独立して実施されるべき医師主導の臨床研究として適正性を欠いており、利益相反の観点から不適切であると判断」した。ただ、データセンターは外部にあったことから、データ改ざんの可能性は低いとしている。
同社はこれについて、「この事実を大変重く受け止めている。ご迷惑とご心配をおかけしていることを心よりお詫び申し上げる」とのコメントを発表した。
同社は、同研究が実施されていたことは把握していたものの、不適切な関与については今回の調査で初めて知ったとした。その上で、調査については社内のヒアリングにとどめるのではなく、第三者も含めた調査を行うとの姿勢を強調した。調査の開始時期、調査範囲などについては、第三者と協議の上、決めるという。
なお、同研究は14年5月9日に中断されている。