米FDA 急性細菌性皮膚感染症治療薬・Sivextroを承認
公開日時 2014/06/25 03:50
米食品医薬品局(FDA)は6月20日、急性細菌性皮膚および皮膚構造感染症(ABSSSI)治療薬・Sivextro(一般名:tedizolid phosphate)を承認した。同剤の適応は、メチシリン耐性株およびメチシリン感受性株を含む黄色ブドウ球菌(MRSA)、各種連鎖球菌ならびに大便連鎖球菌を原因とするABSSSI。剤型は静注および経口剤。用法用量は、1日1回、6日間投与となっている。同剤は、ABSSSIに対しては、5月23日に承認されたDalvance(一般名:ダルババンシン)に次いで2剤目の新規抗菌剤となった。
Sivextroの安全性および有効性は、ABSSSI患者1315例を対象とした2本の臨床第3相試験で検証された。被験者は、Sivextro投与群とリネゾリド投与群の2群に無作為に割り付けられ、Sivextro投与群はリネゾリド投与群と同等の有効性を示した。
主な副作用は、悪心、頭痛、下痢、嘔吐、眩暈など。なお、好中球減少症の患者における安全性および有効性は評価されていないため、該当患者は、代替療法が推奨されている。
同剤は、FDAが2012年に施行した「抗生物質開発インセンティブ法」(Generating Antibiotic Incentives Now Act)に基づいて設けた抗菌剤促進策の一環である「有資格感染症製品」(qualified infectious disease products:QIDP)の指定ならびに迅速審査の指定を受けた。QIDPの指定を受けると、通常の販売独占期間に加え、5年間の販売独占期間が付与される。米・Cubist Pharmaceuticals(本社:マサチューセッツ州レキシントン)が販売する。
Cubist PharmaceuticalsのMichael Bonney CEOは、同剤が患者の条件に応じて静注および経口を使い分けられる柔軟性をもっていることを挙げ、「特に経口剤では、費用のかかる入院を減らせる可能性を有している」とメリットを強調した。さらに、米国感染症学会(DSA)が医薬品産業および政策立案者に2020年までに10剤の新規抗生物質を開発・承認させることを求めている提言を支持するとし、同剤は、同社が供給を望む4剤のなかの1剤であると話した。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のEdward Cox抗菌剤製品部長は、「本日の承認は、重篤な皮膚感染症患者に新規の治療選択肢を提供する」と同剤の登場を歓迎した。