医師の4割が患者の治療への具体的な要望増加を実感 QLife調査
公開日時 2014/05/29 03:50
4割の医師が3年前と比べ、治療薬の効果・副作用の具体的な説明や薬剤の指定など、患者の治療内容への具体的な要望が増加したと感じていることが分かった。病院検索サイトや医薬品検索サイトを運営するQLifeが院長・部門長などの医師を対象に実施したアンケート調査から示された。患者からの要望があった際に、処方決定時の確認内容を変更する医師も3割超にのぼり、患者の声が治療方針の決定に影響を与えていることも示唆された。
対象は、院長・部門長など患者の治療の決定権を持つ医師338人(病院:121人、診療所:217人)。専門分野は一般内科41.7%(141人)、眼科7.7%(26人)など。2014年4月22日~30日まで、インターネト上で調査を行った。
3年前と比べ、患者からの具体的な要望が増えたかたずねたところ、「とても増えた」が9.2%、「やや増えた」が28.1%、「変わらない」が61.5%となった。自由回答で具体的な内容を聞いたところ、「効果・副作用の詳細説明」が48人(17.4%)、「治療必要性や見通しの詳細説明」が46人(16.7%)、「薬剤(品名・剤型など)の指定」が39人(14.1%)、「ジェネリック(GE)への変更」が33人(12.0%)などとなった。
薬剤の指定では、「具体的な処方薬の希望(60代・診療所院長)」、「テレビ番組を見て知った薬剤の処方依頼(40代・診療所院長)」などの声があった。GEへの変更では、「GEを処方してくれと言われることが増えた(50代・病院長)」、「同じ内容の薬剤ではGEにして負担を減らしてほしいという要望が増えた(70代・診療所院長)」などの声が寄せられた。
調査ではまた、患者から「忘れずに服用できる時間帯」「過去に類似する薬剤の服用経験」「治療効果に何を求めるか」などの確認を処方時にしてほしかったとの訴えがあった場合を想定。その後ほかの患者への治療方針の説明や確認内容などが変化するか聞いた。その結果、変更するとの回答は「全患者の大半」が34.6%、「同疾患の大半」が10.4%、「同薬剤の大半」が22.8%だった。一方で、「複数の訴えがあるまで変更しない」が13.6%、「患者の声で処方を変えることはない」が11.8%という結果になった。治療内容への患者の本音を知りたいかについても、「ぜひ聞きたい」が42.0%、「やや聞きたい」が41.1%で、8割の医師が患者の本音を知りたいと感じていることも分かった。