【World Topics】メディケアが股関節・膝関節置換手術で全米の病院を評価、結果を公表
公開日時 2014/04/25 03:50
連邦政府のメディケア担当事務局は、先月、股関節置換術および膝関節置換術に関し、2009年から2012年度までの3年間の病院データを独自に解析し、退院後30日以内の再入院率および術後の複合合併症の状況によって病院のパフォーマンスの質を評価し、結果を、具体的な医療機関名を付して公表した。連邦政府によるベスト/ワースト・ホスピタルのランキングとして注目を集めている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
より優れているとされた病院が97、パフォーマンスにおいて劣り、改善の余地ありとみなされた病院が95であったが、「問題あり」群にはペンシルバニア大学医学部付属病院も含まれており、国民の注目度が高い。
医療機関名および評価結果の詳細については、カイザー財団が見やすいリストにまとめて公表している。
http://www.kaiserhealthnews.org/Stories/2013/December/17/hip-and-knee-surgery-chart.aspx
ワースト・ホスピタルにリストされた医療機関のいくつかは、早々にメディアに反論を公表しており、たとえばテキサス州のシャノン医療センター(Shannon Medical Center, San Angele)は「メディケアが今回公表した調査に用いられたデータはすでに旧くなっており、実際には(シャノン医療センターでは)2012年に新しい医療技術を導入しており、その結果、パフォーマンスもアウトカムも格段に向上している」と主張している。
膝関節または股関節置換術を受けるメディケア加入者は毎年60万人以上、2010年度実績は、膝関節置換術719,000件、股関節置換術は332,000件で、これらにかかった医療費は12ビリオンドル(1兆2千億)、8ビリオンドル(8千億)であった(メディケアと民間補完保険の合計額)。手術件数は年々増加傾向にあり、ともなって医療費の増大が懸念されている。
メディケアは解析結果をメディケアのウェブサイト上の病院比較ページに公表し
http://www.medicare.gov/hospitalcompare/search.html
加入者の病院選びをサポートしたい意向であるが、実際には、まだ病院比較ページを参照して病院をえらぶ加入者は多くないとのことである。