FDA EMA ファーマコビジランス分野で協力を強化
公開日時 2014/02/27 03:50
米食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)は、ファーマコビジランス分野で従来の協力体制に加え、新たな情報交換など会合の場を設置することを決めた。FDAが2月19日発表した。
今回の決定は、EMAとEU以外の欧州各国の規制当局とがファーマコビジランスに関連し、情報交換や協議の必要がある特定の領域の問題に絞って定期的に会合を開催するというもので、従来のFDAとEMAとの定期会合の経験やEMA内でのファーマコビジランス・リスク評価委員会の設置も踏まえて新規の会合の場が設置される。
FDAとEMAは、すでに、バイオシミラー、抗がん剤、希少疾病薬、血液製剤などに関連する問題で、このような会合の場を持っている。カナダ保健省や日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)ともその種の会合の場を持っている。
FDAのJanet Woodcock医薬品評価研究センター(CDER)長は、「米国人の健康と安全を守ることは単独ではできない」と述べたうえで、「我々米国の市民を守るには、FDAと国際的規制者のパートナーとの国際協力が欠かせない」と他国の規制当局との協力の必要性を強調した。
新たな会合の場として、ファーマコビジランスについての協議は、月ごとに電話会議で当局間で行われる予定である。FDAは、今回の取り組みにより、交流の頻度が増すことで、相互に医薬安全性の分野での対応が迅速となり、かつ、コミュニケーション活動の調整もしやすくなるとみている。
EMAのGuido Rasi事務総長は、「医薬品市場のグローバル化が進展するに伴って、医薬品規制者間の協力が不可欠になっている」と指摘したうえで、「医薬品規制は相互依存的であり、1つの地域でとられたアクションは、世界の他の地域に波及する。したがって、国際協力は、EMAにとって重要な仕事である」とコメントした。