英NICEガイダンス案 前立腺がん治療薬Xtandiを推奨
公開日時 2013/10/25 03:50
アステラス製薬の経口アンドロゲン受容体阻害剤・Xtandi(一般名:エンザルタミド)について、早くも英国立医療技術評価機構(NICE)の新規ガイダンス案でNHS(英国民保健サービス)での使用がこのほど推奨された。適応は、ドセタキセルによる化学療法施行歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺がんで、前立腺がん細胞の成長に重要な役割を果たしているアンドロゲン受容体のシグナル伝達を複数の作用で阻害するという。1日1回投与剤。
アステラス製薬は、同剤について、2013年6月21日に、EUにおいて同適応で承認取得、英国が欧州で最初の発売国となった。米国では2012年9月に発売、日本国内では今年5月24日、厚労省に製造販売承認申請を行った。
NICEのCarole Longsonヘルステクノロジー評価センター長は、「このステージの患者が利用できる治療法はわずかしかないので、エンザルタミドを推奨するガイダンス案を策定できることは喜ばしい。有効な治療法であり、かつ、経口剤なので在宅での治療を患者に提供できる」とコメントした。
NICEの評価委員会は、エンザルタミドの費用対効果については、1QALYあたりのコストは、欧州で前立腺がんに使用されているアビラテロン(国内未承認)と比べ、ある程度不明確な点があるが、全体として、エビデンスに基づき、1QALYあたりNICEの費用対効果比の閾値である30000ポンド以下になるとして同剤の推奨を受け入れた。
エンザルタミドの薬剤費は、1パック40mgカプセル112個入りが2734.67ポンド。1日投与量160mgで平均治療期間を8.5か月とすると、25269ポンドとなる。
NICEによると、製薬業者は、同剤を割引価格で提供する患者アクセススキームに合意しているという。NICEは、10月17日から同ガイダンス案についてのパブリックコメントの募集を開始した。
なお、アビラテロンについては、国内では、ヤンセンファーマが、2013年7月26日に、アビラテロン酢酸エステルとして、厚労省に製造販売承認申請を行っている。