EMA EudraCTの新バージョンを稼働
公開日時 2013/10/16 03:50
欧州医薬品庁(EMA)は10月11日、ウェブサイトで臨床試験情報を公開している「欧州臨床試験データベース」(The European Clinical Trials Database: EudraCT)の新バージョン「EudraCT V9」を稼働させたと発表した。
EudraCTでは、すでに、臨床試験実施製薬企業(スポンサー)が提出した、欧州経済地域(EEA)や第3国で実施した臨床試験(小児用薬に限定)のプロトコール関連情報を含む臨床試験情報すでに掲載している。現在、運用されているのは、「EudraCT V9」である。これらウェブサイトは、EMAがEC(欧州委員会)に代わって運営している。
EudraCTは、EU加盟各国規制当局が、EU臨床試験登録(EU Clinical Trials Register: EU CTR)のサイトを通じ、製薬企業が提出したプロトコール関連情報を含む臨床試験情報にアクセスできる。そればかりでなく、その情報が小児用薬の試験を目的とした「小児用薬治験計画」(Padiatric Investigation Plan :PIP)に含まれる場合は、第3国における臨床試験であってもプロトコール関連情報にアクセスできるシステムになっている。
今回のEudraCT V9では、製薬企業は、現在、従来の情報に加え、臨床試験結果のサマリーを掲載するようEudraCTへの登録を促されている。
今年末にEU CTRも新バージョンが発足するが、それに伴いEudraCTに掲載される臨床試験結果が一般消費者も入手できるようになる。臨床試験結果の内容およびレベルについては、EC(欧州委員会)のガイドラインおよびテクニカルガイドラインに従って決められる。
消費者を含むウェブユーザーは、試験場所がEEAばかりでなく小児用薬の場合、欧州以外でも、フェーズ2からフェーズ4の成人および小児の試験情報を閲覧できる。
今回のEudraCTのバージョンアップは、EU規制当局および製薬企業のデータベースのシステム環境の整備の一環で、2014年半ばまでに再度のバージョンアップを計画しているという。また、EMAが欧州での臨床試験の透明化の一層の促進を図っている一環でもある。
EMAでは、臨床試験登録のデータ要件についての国際標準化を支持しており、すでに、EudraCTのデータ要件については、米NIH(国立衛生研究所)の臨床試験データベースであるClinicalTrials.govと協調している。