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ノバルティス本社・エプスタイン社長 ディオバン問題で売上低下も信頼性低下の影響を強調

公開日時 2013/10/04 03:54

ノバルティスファーマ本社(スイス)社長のデビッド・エプスタイン氏は10月3日、記者会見を開き、降圧薬・ディオバン(一般名:バルサルタン)をめぐる一連の問題の結果、「若干売上は減少している」と認めた上で、「私どもが心配しているのは売上よりもreputation(風評、評判)」と述べ、新薬開発に向け、医師、患者からの信頼性を損うことの影響の大きさを強調した。


会見の中で、エプスタイン社長は、「日本はノバルティスにとって、現在もこれからも成長市場であり、かつ重要な投資先」との見解を表明。新薬開発を行う上で、医師、患者、社会全体からの信頼の重要性を強調し、「1つの市場で起きたことに対して、全世界で痛みを伴って深刻に感じている」と述べた。


◎再発防止委員会設置で社内ガバナンスを強化 石川社長、二之宮社長は30%減俸

一連のディオバン問題については、社内調査により、「利益相反の状態があったこと、それに関与した社員と社内体制のどこに不備があったのか判明した」と説明。一連の臨床試験に、「1人の社員の所属が適切に記載されておらず、かつそのほかの公表論文にも参加していたこと、ならびに5つの臨床研究のうち1つの研究の中でもう1人の社員の所属が適切に記載されていなかったことを認識すべきだった」とした。「臨床研究に参加し、利益相反が開示されなかったことは、ノバルティスの視点から不適切だった。より厳しい監視体制があったならば、研究者に通知し、論文掲載後に訂正を行うことができた」と述べ、さらなる社内のガバナンス強化の重要性を強調した。

ガバナンス強化のための追加的な措置として、本社チーフ・コマーシャル・オフィサーであるエリック・コルヌート氏をノバルティス日本法人の会長に任命した。さらに、11月をめどに、外部有識者を含む“再発防止委員会”を設置する。委員会は、再発防止に関する提言や社内ガバナンスに対する助言を行う。「今後は、コルヌート氏と(ノバルティスファーマ日本法人 代表取締役社長の)二之宮氏が協力し、新設される再発防止委員会の助言を得ながら、企業倫理ならびにコンプライアンスの向上に向けて全力を尽くす」とエプスタイン氏は述べた。

さらに、ノバルティスホールディングジャパンの石川裕子代表取締役社長と二之宮社長については、「利益相反の状態を見過ごしてきたことを反省する意味で、今回の事案の帰趨が明らかになるまで30%の減俸処分となる」ことや、メディカル部門の責任者を外部から招へいしたことも報告した。

なお、日本製薬工業協会(手代木功会長)は同日、協会の会則で定められた「本会の目的に反する会員の行為があった場合等」に該当するとして、会員資格停止の措置を取ることを決定している。

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