田辺三菱 カナダのワクチンベンチャー・メディカゴ社を買収で合意
公開日時 2013/07/16 05:00
田辺三菱製薬は7月12日、米フィリップモリスインターナショナル(PMI)の子会社と共同で、カナダのワクチンベンチャー・メディカゴ社の全株式を現金で買収することで、メディカゴ社取締役会と合意したと発表した。メディカゴ社はまだ製品を持っていないが、同社の独自のワクチン技術による新ワクチンの開発を進め、海外事業を強化するのが狙い。買収額は最大で約169億円を見込む。
メディカゴ社が持つ技術は、「植物由来ウイルス様粒子」(VLP)技術というもので、ウイルスと同様の外部構造を持ちながら、遺伝子情報を持たないことから、高い効果の一方で、体内のウイルス増殖がない性質を持つ。上市時期は不明だが、同社は季節性とパンデミックのインフルエンザワクチンの開発を進めているという。また、田辺三菱とVLP技術を用いたロタウイルスワクチンなどの共同研究を進めてきたという。田辺三菱によると、現時点では買収後の製品開発計画は開示していない。
メディカゴ社は、PMI子会社のフィリップモリスインベストメントが筆頭株主(持株比率38.5%)で、共同研究を行ってきた田辺三菱も6%の株式を保有していた。今回、両社でメディカゴ社をグローバルに供給できるワクチン会社として育成することで一致し、買収後は株式を田辺三菱が6割、フィリップモリスインベストメントが4割持つ形で合弁会社として運営することになった。買収手続きは、50~75日後に完了する見通しで、完了すれば田辺三菱の子会社となる。