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ノバルティス アフィニトールで乳がんの適応追加を申請

公開日時 2013/05/07 05:00

ノバルティス ファーマはこのほど、抗がん剤アフィニトール錠(成分名: エベロリムス)について、乳がんの適応を追加する承認申請を行ったと発表した。乳がんの適応では、欧米を含む60か国以上で承認されている。

ホルモン受容体陽性の乳がんが再発、転移した患者では、ホルモン療法によってQOLを維持しつつ治療を継続する。しかし、最終的にはいずれのホルモン治療薬にも抵抗性となり、ホルモン療法を継続できないことが問題となっている。この耐性メカニズムは、mTOR経路の過剰活性と関連があると考えられている。

これに対してアフィニトールは、腫瘍細胞の分裂や血管新生、細胞代謝の調節に重要な役割を果たすmTORタンパクを標的とする薬剤。ホルモン療法にアフィニトールを併用することで、ホルモン治療薬の腫瘍増殖抑制効果が高まり、抵抗性を克服できることが期待されるという。

今回の申請は、ホルモン治療薬のレトロゾールまたはアナストロゾールに抵抗性の乳がん患者724人が対象の国際フェーズ3試験の結果に基づき4月26日に行った。同試験では、ホルモン剤であるエキセメスタンとアフィニトール併用群とエキセメスタン単独群で比較された。その結果、単独群に比べて併用群では、無増悪生存期間が有意に延長されることが示された。

アフィニトールは、日本では2010年4月に根治切除不能または転移性の腎細胞がんの適応で発売された。その後、膵神経内分泌腫瘍、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫などの効能が追加されている。現在、悪性リンパ腫やHER2陽性乳がん、肝細胞がん、消化管または肺原発の進行性神経内分泌腫瘍を対象とした国際P3も進行中。

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