PhRMA・レックライター会長 メーカーから医師への資金透明化「信頼関係高める」
公開日時 2013/02/04 04:00
米国研究製薬工業協会(PhRMA)のジョン・C・レックライター会長(米イーライリリーCEO、写真)が来日し、2月1日に都内で記者会見した。メーカーから医師らへの資金を開示する動きについて同会長は終了後に本誌に「米国の状況を言えば、信頼関係を高める上で重要であり、国民も前向きに受け止めている。新薬の開発や情報発信にメーカーと医師がどう協力しあっているのかを、分かりやすく示すことは必要なことだ」と話した。
日本では日本製薬工業協会の透明性ガイドイランに基づき各社が、講師謝礼や原稿料などは医師個人毎に開示する方針だが、医師からは懸念が出ている。本誌は、情報開示で先行する米国での両者の関係の変化に有無について会見とその終了後に質問したが、同氏からは開示の意義についてのコメントはあったが、関係の変化については明確な答えがなかった。(※2月4日、PhRMAジャパン広報事務局より、米国企業の中には自主的に開示している企業はあるが、法的に開示を義務付ける「Sunshine Act」による開示はこれからであるため、コメントは時期尚早の旨の回答があった。本誌の追加質問に対する回答。)
会見では、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に対する姿勢についての質問もあった。会見に同席したPhRMA在日執行委員長のアルフォンゾ・G・ズルエッタ氏(日本イーライリリー社長)は、基本的には日本政府が判断することとした上で、「我々は、世界で最も優れたアウトカムを出している日本の皆保険制度を支持している。(貿易、競争環境は)透明なルールの下で行われることも重要である。患者には、最新・最善の薬にアクセスできるようにすべきだ」と述べるにとどまり、具体的に必要性や要望などには触れなかった。
レックライター会長の来日目的は「政府関係者、国会議員と医療政策について話し合い、製薬業界の見解を伝え、日本の患者さんに質の高い医薬品を届けるための製薬業界の貢献について説明するため」という。