米FDA CML治療薬ponatinibを承認
公開日時 2012/12/19 04:00
米食品医薬品局(FDA)は12月14日、慢性骨髄性白血病(CML)およびフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)治療薬Iclusig (ponatinib)を承認した。同剤は、複数チロシンキナーゼ阻害剤の1日1回投与経口剤。適応は、既存のチロシンキナーゼ阻害剤に対して抵抗性を持つCML細胞の形成に関与するT315I遺伝子変異を持つ急性期および移行期のCMLおよびPh+ALL成人患者。
FDAは同剤を6か月間以内の審査で終了する優先審査の対象とし「処方せん薬ユーザーフィー法」の規定した、審査終了目標日の2013年3月27日よりも3か月早く、審査を終了、承認された。また、FDAは同剤について希少疾病薬の指定もしていた。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur血液・腫瘍製品部長は、「Iclusigの承認は、他剤が奏功しないCML患者、特にT315I変異を持った患者では治療オプションが少ししかない患者、に対して治療オプションを提供するので、非常に重要である」と述べたうえで、「同剤は、今年、FDAがCML治療薬として承認した薬剤では3剤目、ALL治療薬としては2剤目で、このことはFDAが、希少疾患への安全・有効な薬剤の承認へ如何に取り組んでいるかを示したもの」との考えを示した。
FDAは、CML治療薬としては、2012年9月にファイザー(本社:ニューヨーク市)のBosulif(bosutinib)、10月にイスラエル・テバの米法人テバ・ファーマシューティカルズ(本社:ペンシルバニア州フレイザー)のSynribo (omacetaxine mepesuccinate)を、8月にはフィラデルフィア染色体陰性ALL治療薬として、Talon Therapeutics(本社:カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)のMarqibo (vincristine sulfate liposome injection)を承認している。
Iclusigの安全性・有効性は、様々な病期のCMLおよびPh+ALL患者449例で検証され、確認された。同剤の添付文書には、同剤による血栓の発症および肝毒性を発現させる可能性について枠組み警告が記載された。臨床試験中に見られた主な副作用は、高血圧、発疹、腹痛、疲労感、頭痛、便秘、発熱、関節痛、悪心など。同剤は、ARIAD Pharmaceuticals (本社:マサチューセッツ州ケンブリッジ)が発売する。