関節リウマチ薬イグラチモドとワルファリン併用で重篤な出血も エーザイと大正富山が注意喚起
公開日時 2012/12/17 04:02
エーザイと大正富山医薬品は12月14日、抗凝固薬ワルファリンの投与中の患者に、9月に発売した関節リウマチ治療薬イグラチモド(製品名:コルベット錠=大正富山が販売、ケアラム錠=エーザイが販売)を投与したところ、相互作用によると疑われる重篤な出血を含む症例が発生したとして、医療施設に文書で注意喚起を始めた。
安全性情報の報告を受ける医薬品医療機器総合機構によると、相互作用と疑われる出血例は10日までに3例を把握した。80代男性(穿刺部位出血、結膜出血)、50代女性(血液凝固能の低下)、60代女性(歯茎出血、大腿・前腕・臀部の皮下出血)で、80代男性と60代女性は重篤な出血と判断された。両症例とも入院したが、80代男性は回復、60代女性は軽快に向かっているという。
これを受け両社は、▽イグラチモド処方前には、患者のワルファリンの服用の有無を必ず確認する▽皮下出血や鼻血などの症状の発現、血液凝固能の異常な低下(PT-INRの異常な上昇等)または未確認の場合は、服用中止を検討するとともに、ワルファリン処方医の診察を受けるように指導する▽ワルファリン服用患者にイグラチモドを投与する場合は、定期的に血液凝固能検査結果を確認する--ことを呼びかけた。
両剤の添付文書には、相互作用の項目に「ワルファリンの作用を増強するおそれがあるので、ワルファリンの用量を調節するなど注意すること」との記載がある。