インドパワーの源
公開日時 2012/10/30 00:00
フィンテックグローバルキャピタルシニアアドバイザー元武田薬品工業(現在:武田科学振興財団、国際部長)豊田繁「ネクサバール」事件だからインドは怖いのかインド特許庁が12年3月9日に下した決定に世界の新薬メーカーは驚いた。いわゆる「ネクサバール」事件である。ネクサバール(一般名:ソラフェニブトシル酸塩)は独バイエルの分子標的型の抗がん剤(ソラフェニブ)。そのジェネリック薬(GE)の製造を、インドのナトコ社に6%のロイヤルティー(特許使用料)を払う代わりに、行なえるよう許可した。バイエルが適正な価格設定でネクサバールを供給せず、あまりに高価で患者が購入できないとして強制的に製造ライセンスを命じたのである。これにより、月間投与額約45万円のネクサバールに対し、ナトコ社のGEは97%減の月約1万500...