IFPMA 精神疾患で政策提言
公開日時 2012/10/22 04:00
国際製薬団体連合会(IFPMA)は、「世界精神保健の日」(World Mental Health Day)である10月10日に、各国政府など関係者に対して世界的に精神・神経疾患(MND)が増加していることを背景に、MND研究やMND治療薬開発の促進やMNDの疾患対策を講ずることを求める政策提言を発表した。
「精神・神経疾患(MND):画期的治療、画期的協力」(MNDs:Innovative Therapies, Innovative Collaborations)と題する政策提言は、製薬業界が政府や関係者にMNDが健康分野以外に、社会的・経済的なインパクトを与える点を考慮して、MNDへの対策を立てることを促している。
精神・神経疾患の多くはまだ十分に病態が理解されておらず、同疾患に対する画期的医薬品の一層の開発が望まれている。政策提言は、このことが、研究指向型製薬産業、政府、WHO(世界保健機構)、患者団体など世界の保健分野における重要かつ喫緊の解決すべき優先課題となっていると指摘する。
IFPMAのEduardo Pisani事務局長は、「我々の会員企業は脳の機能についての理解を深めるために莫大な投資を行ってきた」と精神・神経疾患への企業の取り組みについて述べたうえで、「多くの研究への課題は残されている。この保健上での優先課題解決のためには、研究室の壁を取り払って、(関係者全員による)さらなるイノベーションが必要だ」と研究所のみに依存する研究体制では不十分との見方を示した。
今年の「世界精神保健の日」のテーマは「うつ病:世界の危機」だった。WHOによると、精神・神経疾患は疾患全体の13%を占める。そのうち、うつ病のみで患者数は3億5000万人以上という。