中外 アバスチンの効能に「卵巣がん」追加で申請 厚労省の開発要請受け
公開日時 2012/10/09 04:02
中外製薬10月5日、抗がん剤アバスチン(一般名:ベバシズマブ)の効能・効果に「卵巣がん」を追加する承認申請を行ったと発表した。これは厚労省の検討会議から同効能の追加の必要性が医療上高いと判断、同省からの開発要請に基づいて申請準備していたもの。
申請は、ロシュ社が初回治療の患者を対象に行い、有効性と安全性を確認した2つのフェーズ3試験の結果に基づている。いずれもパクリタキセルとカルポプラチンの併用療法(標準療法)群に比べ、標準療法にアバスチンを上乗せし、その後アバスチンを単独投与した群(アバスチン群)が無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した。
その1つは医師主導治験の形で日本人も参加した「GOG 0218」試験で、PSF中央値は標準療法群が10.3カ月に対し、アバスチン群が14.1カ月だった。もう1つの「ICON7」試験では標準療法群が16カ月に対しアバスチン群が18.3カ月だった。いずれも中外として治験したものではないが、これら成績に基づき中外が申請した。
日本の卵巣がんの新規罹患者数は年々増え、2010年から2014年の年間平均新規罹患患者数は8500人と推計されていいるという。卵巣がん(初回治療)に係る効能・効果は47 以上の国または地域で承認されている。