サノフィ 2015年までに仏国内の900人人員削減 R&D見直しへ
公開日時 2012/09/27 04:00
仏サノフィは9月25日、R&D(研究開発)施設の見直しやその効率化を図る過程で、仏国内で2015年までに900人の人員削減を実施することを発表した。早期退職、配置換えなどの希望を募る予定。
R&D施設については、Virty/Alfortville、Chilly-Mazarin/Longjumeau、Lyonの施設での開発業務は現状を維持するとした。
Montepellierの施設では開発業務に特化した戦略センターへの発展、Virty/Alfortville、Chilly-Mazarin/Longjumeauの施設では研究業務を強化するとした。そのほか、Strasbourgの施設では学界やバイオテクに対してオープンな共同作業のプラットホームとしての位置づけを維持するとした。
また、Lyonに感染症におけるグローバルの卓越した研究拠点を設置。サノフィパスツールがワクチン市場での競争に対応できるよう業績改善を目指すなどの対応策も示した。
一方で、従来から問題視されていたToulouseのR&D施設の維持についての決定は今回見送られた。サノフィの代表者、フランス政府および地方政府の代表者から構成されるワーキンググループを早急に設置し、具体的な解決案を出すことも明らかにされた。
◎仏政府との折衝で2300人の削減から減少か? 海外メディア報じる
今回のサノフィの人員削減の決定について、ロイター通信やブルームバーグ通信は、サノフィは2300人の削減を計画していたが、仏政府と同社の折衝により、900人に縮小したことを報じた。
ロイター通信によると、Arnold Montebourg産業相は、サノフィのChristophar Viebacher CEO(最高経営責任者)と24日に会談し、人員削減数を減らすよう説得し、Viebacher CEOがこれに応じたという。同産業相は記者会見で、「儲かっている会社が、困難な状況に陥っている会社がするようなことをしてはいけない」と指摘。その上で、人員削減について柔軟な対応をとるよう求めたという。
仏政府は、自動車メーカーのPSA Peugeot CitroenやスーパーのCarrefourがリストラを行っており、失業率をこれ以上高くしたくないという理由もサノフィに伝えた模様だ。
また、ブルームバーグ通信によると、同経済相は、ToulouseのR&D施設について言及し、会社側と組合の同施設についての交渉を「モニターする」考えを示し、今回の発表では触れていないToulouseの人員削減について大きな関心を寄せていることも明らかにした。