FDA サノフィのMS治療薬Aubagioを承認
公開日時 2012/09/19 04:00
米食品医薬品局(FDA)は9月12日、サノフィアベンティス(サノフィ米法人:ニュージャージー州ブリッジウォーター)の多発性硬化症(MS)治療薬Aubagio(teriflunomide)を承認した。
Aubagioの適応は、成人における再発性MS。剤型は1日1回錠剤。同剤は、抗炎症作用をもった免疫調整剤。同剤は、サノフィの子会社ジェンザイムが開発した最初のMS治療薬。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRussell Katz神経学製品部長は、「臨床試験では、MSの再発率は、同剤投与によりプラセボに比べ約30%低下した」と報告。「MSは、患者の活動・感情・思考を阻害するため、患者が利用できる様々な治療選択肢を持つことが重要だ」と同剤の承認を歓迎した。
Aubagioの主な副作用は、下痢、肝機能異常値、悪心、脱毛など。枠組み警告として、肝障害および出生異常のリスクについて言及。同剤服用開始時および定期的に肝機能検査を実施することを求めた。また、動物実験で胎児への障害が報告されているため、妊娠年齢にある女性では服用前に妊娠テストを行うこと、あるいは、治療中は避妊を行うことを求めている。
同剤の処方は、使用上の注意や安全性情報を内容とした患者向けメディケーション・ガイドが提供される。
サノフィおよびジェンザイムも同日、同剤承認を発表。ジェンザイムのDavid Meeker社長兼CEOは、「MS患者の生活に大きな差をもたらすことができる新たな治療選択肢としてAubagioを登場させることに興奮している」と述べた。その上で、「我々初のMS治療薬の承認はジェンザイムにとって重要なマイルストーンであり、MSの分野での長期的なリーダーシップとパートナーシップへの関与を強調するもの」とMS分野での積極的な展開に意欲を示した。