第一三共 国内バイオシミラー市場に参入 エタネルセプトとリツキシマブから
公開日時 2012/05/09 04:02
第一三共は5月8日、米国コヒーラス・バイオサイエンシス社と、日本などでのバイオシミラー事業で提携することで合意したと発表した。これによってコヒーラス社が手掛けている▽抗リウマチ薬エタネルセプト(一般名、国内製品名エンブレル)▽非ホジキンリンパ腫治療薬リツキシマブ(一般名、国内製品名リツキサン)――のバイオシミラーを、第一三共が日本・韓国・台湾で開発・販売する。また、コヒーラス社から今後、製造技術の利用許諾を受けられれば、第一三共は両品目の国内生産を行う考え。なお、金銭面の合意内容は非開示。
第一三共は両品目の国内上市のスケジュールについて、「バイオシミラー市場への早期参入を目指す」とのみコメントしており、具体的な時期を明らかにしていない。ただ、ボストン コンサルティンググループのデータによると、エタネルセプトの国内特許切れは2016年、リツキシマブは同19年とされ(ミクス11年11月号掲載)、これらの時期が1つの目安とみられる。
第一三共はバイオシミラーを第一三共本体で販売するか、ジェネリック事業を展開する第一三共エスファで販売するか、現時点では決まっていないとしている。第一三共は現在、抗リウマチ薬を扱っていないが、関節リウマチなどの抗炎症薬としてロキソニンを販売している。関節リウマチを適応症とする開発パイプラインのうち最も進んでいるものは、フェーズ2段階の抗RANKL抗体デノスマブ(効能追加)となる。