塩野義 加齢黄斑変性症治療用ワクチンの国内P2aを開始
公開日時 2012/03/23 04:01
オンコセラピー・サイエンス(以下、OTS)は3月22日、塩野義製薬に導出した加齢黄斑変性症治療用ペプチド複合ワクチン「S-646240」が国内フェーズ2a試験を開始したと発表した。加齢黄斑変性症患者に対する同治療用ワクチンの安全性、有効性、免疫反応を確認する。OTSは塩野義からマイルストーンを受領したが、具体的な金額は非開示。同治療用ワクチンの開発が成功すると、塩野義は眼科領域に初進出することになる。
加齢黄斑変性症は、網膜の中でも物を見る中心(黄斑)に病的な新生血管が生じることで、物が歪んで見え、さらには失明に至る場合もある。成人失明の原因の上位を占め、視力の回復や症状の改善が難しいとされる。S-646240は新生血管を標的とした皮下投与のペプチド複合ワクチンで、その作用機序から加齢黄斑変性症の原因となる病的な新生血管に直接的に作用し、効果を発揮することが期待されている。
塩野義は10年にOTSからS-646240の全世界における独占的な開発・製造・販売権を取得した。塩野義はこれまでにOTSからがん領域の治療用ワクチンを複数導入しており、日本国内では現在、膀胱がん(開発コード:S-288310)や食道がん(同S-488410)でフェーズ1/2を実施している。