英NICE C型肝炎治療薬Victrelisを推奨
公開日時 2012/03/14 04:00
英国立臨床評価研究所(NICE)は3月9日、米メルク・シャープ&ドームのC型肝炎治療薬Victrelis (boceprevir)について、遺伝子型1型の慢性C型肝炎の治療薬として、ペグインターフェロン(PEG-IFN)アルファ およびリバビリンとの3剤併用でNHS(英国民保健サービス)における治療オプションとして推奨するとした最終ガイダンス案を発表した。
Victrelisは、C型肝炎治療薬としては初めてのプロテアーゼ阻害剤。NICEの現行ガイダンスは、遺伝子型1型の慢性C型肝炎には、PEG-IFNαおよびリバビリンの2剤併用を推奨している。
Victrelisの薬価は、336錠パック(28日分)が付加価値税込みで2800ポンド。44週間の平均的コースでは、3万800ポンド。しかし、NICEでは、患者および症状次第で、24週間か32週間のより短期間のコースを推奨している。
NICEは、VictrelisとPEG-IFNαおよびリバビリンの3剤併用における増分費用対効果(ICER)は、1QALY(生活の質調整生存年)あたり2万ポンド以下に収まるため、遺伝子型1型の慢性C型肝炎患者がNHSの資源を同剤のために使用することには費用対効果は認められるとした。PEG-IFNとリバビリンの併用についての追加費用は1万1000ポンド。
NICEのMeindert Boysenプログラム・ディレクター(技術評価担当)は、「VictrelisとP-IFNαおよびリバビリンの併用が示した持続性ウイルス学的著効での有意な改善は、PEG-IFNαとリバビリンの2剤併用が示した改善に比べ、遺伝子型1型のC型肝炎患者に多大な恩恵をもたらす」と絶賛。さらに、同ディレクターは、(従って)「我々は、喜んでVictrelisをNHSの資源の費用対効果に優れた使用法として推奨する」とコメントした。
NICEは、ヤンセン・シラグの同種薬剤Incivo(telaprevir)についても費用対効果の評価を行っている。