ファイザー Humanaの診療報酬データベース活用で共同研究契約
公開日時 2011/10/25 04:00
米ファイザーは、大手保険会社HumanaとHumanaの持つ診療報酬請求データベースを活用し、高齢者医療の質、アウトカム、コストの改善をめざす、5年間を期限とした共同研究契約を締結した。ファイザーは、その結果を今後の医薬品開発の決定に役立たせる考え。
両社の共同研究では、当面、高齢者における疼痛管理、心血管疾患 アルツハイマー病の分野に特化する。両社は、研究テーマを決定するために両社の研究者とヘルスケア政策決定者を集め、Humanaの研究機関Competitive Health Analyticsを通して、活用可能なデータを使用する。金銭的条件は非公開。
具体的な研究の進め方は、仮に疼痛管理の分野では、コストを生み出すものは何かを見極め、Humanaが提供するメディケア(公的高齢者保険)加入者の治療パスウェイに存在する非効率性を見つけることなど。このことにより、治療を遅らせる原因、誤診の原因なども探究、適正な治療を見極めることも目的としている。両社は、非効率性を明確にしたのち、保険給付設計の変更、患者・医師教育、治療の新モデルなどの検討を行う。
また、処方薬に対する患者のアドヒアランス向上、ヘルスアウトカム全体の医薬品への影響などについても役立たせたい意向。ファイザーはその結果を医薬品開発に生かす計画だ。
このような取り組みは、ファイザーとHumanaの間だけでなく、アストラゼネカとWellPoint’s HealthCore、サノフィとMedco’s United BioSource Unitの間でも行っている。
(The Pink Sheet Daily 10月14日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから