FDA HAE急性発作治療薬icatibantを承認
公開日時 2011/08/31 04:00
米食品医薬品局(FDA)は、8月25日、遺伝性血管浮腫(HAE)に伴う急性発作治療薬Firazyr(icatibant)を承認したと発表した。
同剤はブラジキニン受容体拮抗薬で、適応は18歳以上のHAE患者の急性発作。HAEは、免疫機構や血液凝固経路の調整に関与する補体成分C1インヒビターの欠損あるいは低レベルにより引き起こされ、四肢・顔・咽頭・気管・消化管などの急激な浮腫を発症させる。消化管浮腫は腹痛・嘔吐・悪心などを発現する。また、咽頭浮腫は呼吸困難を招来し、死亡に至るケースも見られる。HAEは通常家族歴のある患者が発症する。米国では、3万人以下の患者がいると言われる。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のCurtis Rosebraugh医薬品評価第2部長は、「FirazyrはHAEの急性発作治療に新たなオプションをもたらした。同剤は腹部への自己注射が可能なので、浮腫を感じたら自分で治療が可能だ」と同剤の登場を歓迎している。同剤については、自己注射が可能なため、患者への自己注射の指導を含めた患者相談(情報提供)の実施が承認条件となった。
同剤は、Shire Human Genetic Therapies(マサチューセッツ州ケンブリッジ)が販売する。