アバスチンに何が起きているのか
公開日時 2011/07/19 04:00
臨床試験段階から「副作用が少なくがんと共存しながら延命できる夢の新薬」とメディアを賑わした分子標的薬。その中にあって腫瘍新生血管の形成を阻害する薬剤として世界で初めて上市されたのがアバスチン(一般名・ベバシズマブ、ロシュ/ジェネンテック)だ。研究開発力では定評のあるバイオベンチャー・ジェネンテックが生み出したアバスチンは、04年に転移性大腸がんを適応として承認され、06年には切除不能再発・転移性非小細胞肺がん、08年には乳がんと適応拡大を続けてきた。(ジャーナリスト村上和巳)現在はジェネンテックを傘下とするロシュ・グループでは、2010年の最新年間売上高64億6100万スイスフランで、同グループ総売上高の13.6%、同グループの医療用医薬品売上高の17.4%を占める大黒柱となっている。そのア...