バイエル薬品 新規の加齢黄斑変性治療薬を国内申請 眼科領域参入へ
公開日時 2011/07/05 04:01
バイエル薬品はこのほど、進行すると失明のおそれがある滲出型加齢黄斑変性の新薬としてアフリベルセプト(眼科用注射剤)を国内承認申請したと発表した。既存の薬剤では月1回程度の投与だったが、この薬剤は2カ月に1度の投与となる可能性があり、投与にかかる患者の負担を軽減することが期待される。同社は、この薬剤が承認されれば、眼科領域へ参入することになる。
同剤はVEGF Trap-Eyeと呼ばれ、疾患の原因となる血管新生を促す因子に作用し、血管新生を阻害する作用をもつとされる。
承認申請のペースとなったのは北米で行った治験と日欧で行った治験の結果。それら治験では、2mgを2カ月に1回投与した群を含む同剤群と、標準治療であるラニビズマブ(製品名ルセンティス、ノバルティスファーマ)を0.5mgを毎月投与した群との間で効果を比較。投与から52週目に視力の維持もしくは視力が改善した被験者の割合について、ラニビズマブに対する統計学的非劣勢が証明された。有害事象も両剤に目立った差はなかったという。
米国では、同国で独占販売権を持つリジェネロン社が11年2月に申請、欧州では独バイエルが同年6月に申請している。